抱っこを嫌がって唸ります(1歳・イタリアングレーハウンド)

Q. ご相談内容

ルルさん(イタリアングレーハウンド・1歳・♀)より

「甘えて膝に乗ってくるのに、抱き上げようとした瞬間、体を硬くして低く唸ります。動物病院や車の移動でどうしても抱っこが必要なので、無理やり抱いてしまうことも多く、信頼を失っていないか不安です。抱っこ嫌いな性格なのでしょうか。」

目次

A. 湘南辻堂店 木村トレーナー より

ルルちゃんが「膝には乗るけど抱き上げは嫌」というの、実はとても重要な情報です。飼い主さんを嫌いなのではなく、『抱き上げられる』という動作そのものに恐怖や不快感があるということ。ここを切り分けると、対応の道筋がクリアになります。

1. 抱っこ嫌いは「性格」ではなく「学習」

イタリアングレーハウンドさんは繊細で、体の重心が変わることに敏感な子が多い犬種です。ふらっと持ち上げられる感覚、体を密着させて逃げられない感覚、これが本能的に苦手。過去に病院・爪切り・シャンプーなど「抱き上げられた先に嫌なことがあった」体験が重なると、抱き上げの動作自体が予兆になり、唸りや硬直で断ります。「唸り=信頼低下」ではなく、「唸り=ちゃんと嫌だと伝えている」と捉え直してください。

2. 「触る → 支える → 少しだけ持ち上げる」で慣らす

再構築のステップです。
①膝に乗ってきたときに、脇の下と胸の下に手を添えるだけ → おやつ1粒
②手を添えたまま、5cmだけ体を浮かせる → おやつ1粒、すぐ下ろす
③浮かせる時間を10cm、20cmと少しずつ延ばす
④立ち上がって短距離を移動 → 下ろす → おやつ
各段階でルルちゃんがリラックスできる範囲で止めます。焦らず1〜2ヶ月。「抱き上げ=すぐ下ろされてご褒美」という新しい体験を、少しずつ積み上げていきます。

3. 「本番」と「練習」を分ける

病院や車移動など、どうしても抱かないといけない「本番」は、当分の間は『慣らしていない、緊急対応の時間』と割り切ってください。そのぶん練習は、リラックスした夜のリビングなどで丁寧に。本番と練習を分けないと、練習も本番の緊張が混ざってきて、進みが遅くなります。可能なら、キャリーバッグを日常に置いて中でおやつを食べる練習をしておくと、病院時にキャリーに入れる方式に切り替えることもできます。

◆ 今日のポイント

  • 抱っこ嫌いは性格ではなく、抱っこ体験の学習の結果
  • 「5cm浮かせて下ろす」からの再構築。数字は具体的に
  • 本番と練習を分けて、練習の質を守る

唸っているルルちゃんは、健気に飼い主さんに気持ちを伝えているだけ。その声を聞いて対応を変えられる飼い主さんは、実はすごく信頼される存在です。抱き方の手の位置、体の支え方の細かい調整は、店舗で実際にお見せしながらのほうがずっとわかりやすいので、ぜひご相談ください。

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この記事を書いた人

創業19年、銀座発。延べ20万頭以上のワンちゃんと向き合ってきた専任トレーナーたちが、現場で得た知見をブログでお届けします。

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