念願の子犬を家族に迎える日は、喜びと同時に「ちゃんとお世話できるだろうか」という不安も感じるものです。特に最初の1週間は、子犬にとっても飼い主さまにとっても、新しい生活への大きな転換期。この時期の接し方が、その後の信頼関係や問題行動の予防に直結します。SOPRA では19年間で延べ20万頭以上の子犬と向き合ってきた経験から、最初の1週間に特に大切な5つのポイントをお伝えします。
目次
- 安心できる環境を整える
- 無理のないペースで家族に慣れてもらう
- 生活リズムの基礎をつくる
- 健康状態を毎日チェックする
- 社会化の準備を少しずつ始める
- よくある質問
- まとめ
1. 安心できる環境を整える
子犬を迎える前に、まず安全で落ち着けるスペースを用意しましょう。生後間もない子犬は、母犬やきょうだいと離れ、知らない場所に来ることで大きなストレスを感じています。
サークル・クレートの配置
リビングなど家族の気配が感じられる場所に、子犬専用のサークルを設置します。ただし、テレビの真正面やドアの近くなど、刺激が多すぎる場所は避けましょう。サークル内には以下を配置します。
- クレート(ハウス): 暗くて狭い「巣穴」のような空間は、犬にとって本能的に安心できる場所です
- トイレシート: クレートから離れた位置に設置
- 水入れ: こぼれにくいタイプがおすすめ
- 毛布やタオル: ブリーダーさんから母犬のにおいがついたものをもらえると理想的
危険なものは片付ける
子犬は好奇心旺盛で、何でも口に入れて確かめようとします。電気コード、観葉植物、小さなおもちゃ、洗剤類など、誤飲の危険があるものは必ず子犬の届かない場所へ。床に落ちているヘアピンやボタン電池なども要注意です。
トレーナーの経験より
初日から家中を自由に歩かせてしまい、トイレの失敗や誤飲事故が起きるケースは少なくありません。最初の1週間は「サークル内が基本、短時間だけ目の届く範囲で遊ぶ」という方針をおすすめします。
2. 無理のないペースで家族に慣れてもらう
子犬を迎えた初日は、つい抱っこしたり遊んだりしたくなりますが、最初の2〜3日は「見守る」ことを優先しましょう。環境の変化だけで、子犬は疲れています。
初日の接し方
家に到着したら、まずトイレをさせてから静かにサークルへ。子犬が自分から近づいてくるまで、無理に触ろうとせず、そっと見守ります。名前を呼ぶときも優しく穏やかなトーンで。大きな声や突然の動きは避けてください。
家族全員でルールを共有
特に小さなお子さまがいるご家庭では、以下のルールを事前に決めておきましょう。
- 寝ているときは起こさない
- 抱っこは座った状態で、大人の見守りのもとで
- 追いかけたり大声を出したりしない
- おやつは勝手にあげない(トレーニングの妨げになります)
複数の家族がバラバラの接し方をすると、子犬は混乱してしまいます。「誰がいつ、どう接するか」を家族で話し合っておくことが大切です。
3. 生活リズムの基礎をつくる
子犬の健全な成長には、規則正しい生活リズムが欠かせません。食事・トイレ・遊び・睡眠のサイクルを一定にすることで、子犬は安心し、トイレトレーニングもスムーズに進みます。
食事のタイミング
生後2〜3か月の子犬は、1日3〜4回の食事が基本です。ブリーダーやペットショップで与えていたフードを、同じ回数・同じ時間帯で与えましょう。フードを変える場合は、1週間ほどかけて少しずつ混ぜて切り替えます。
トイレのタイミング
子犬がトイレに行きたくなるのは、主に以下のタイミングです。
- 起床直後
- 食事の後(15〜30分以内)
- 遊んだ後
- 興奮した後
これらのタイミングでサークル内のトイレシートへ誘導し、成功したら「すごいね!」と優しくほめてあげましょう。失敗しても叱らず、黙って片付けるだけでOKです。
睡眠時間の確保
子犬は1日18〜20時間も眠ります。遊びすぎや来客の刺激で睡眠不足になると、免疫力が下がったり、かみつきなどの問題行動につながったりします。「遊んだら休む」のメリハリを意識してください。
注意
興奮しすぎて自分では休めない子犬もいます。30分遊んだらクレートで休ませるなど、飼い主さまが睡眠時間をコントロールしてあげましょう。
4. 健康状態を毎日チェックする
環境の変化はストレスとなり、体調を崩しやすい時期です。毎日の健康チェックを習慣にしましょう。
チェック項目
- 食欲: いつもと同じように食べているか
- 便: 形・色・回数(下痢や血便は要注意)
- 尿: 色・量・回数(濃すぎる、少なすぎるは脱水の可能性)
- 目・鼻: 目やにや鼻水が出ていないか
- 元気: ぐったりしていないか、呼吸は正常か
- 体温: 耳や肉球が熱すぎないか(犬の平熱は38〜39度)
動物病院での健康診断
お迎え後2〜3日以内に、かかりつけにしたい動物病院で健康診断を受けましょう。ワクチンスケジュール、ノミ・ダニ予防、フィラリア予防についても相談できます。病院への移動にはキャリーバッグを使い、他の犬との接触は避けてください(ワクチン未完了のため)。
SOPRAのパピートレーニングプログラムでは、生後3か月からの社会化と並行して、健康管理のアドバイスも行っています。
5. 社会化の準備を少しずつ始める
生後3週齢〜14週齢ごろは「社会化期」と呼ばれ、さまざまな刺激を受け入れやすい貴重な時期です。ただし、最初の1週間はまず環境に慣れることが優先。社会化は「準備」から始めましょう。
家の中での音慣れ
掃除機、ドライヤー、インターホンなど、日常的な音に少しずつ慣れさせます。最初は音量を小さくし、子犬が怖がらない距離から。音が鳴ったらおやつをあげて「良いことが起こる音」と学習させます。
抱っこでのお散歩
ワクチンプログラムが完了するまで地面を歩かせることはできませんが、抱っこしての外出は可能です。車の音、自転車、他の犬の姿など、外の世界を安全な距離から見せてあげましょう。ただし長時間は疲れるので、最初は5〜10分程度に。
人への慣れ
家族以外の人にも少しずつ会わせます。ただし、最初の1週間は「静かに来てもらい、子犬から近づくまで待つ」スタイルで。無理に触らせようとすると、人嫌いの原因になることもあります。
社会化の本格スタートは2週目以降
1週目は「環境に慣れる」「家族との信頼関係を築く」ことに集中し、本格的な社会化トレーニングは2週目以降、子犬の様子を見ながら進めていきましょう。SOPRAでは生後3か月からのパピートレーニングで、月齢に応じた社会化プログラムをご提供しています。
よくある質問
Q1. 初日から夜泣きがひどいのですが、どうすればいいですか?
母犬やきょうだいと離れた寂しさから、夜泣きをする子犬は多いです。クレート内に毛布を入れて暗く静かな環境をつくり、時計やぬいぐるみなど「心音に似た音」がするものを近くに置くと落ち着くことがあります。泣いたからといってすぐに出してしまうと「泣けば出してもらえる」と学習するため、少し様子を見ることも大切です。ただし、トイレや体調不良の可能性もあるので、様子がおかしい場合は確認してください。
Q2. 先住犬がいます。初対面はどうすればいいですか?
いきなり同じ空間に入れるのではなく、まずはサークル越しに数日間、お互いのにおいや存在に慣れさせます。先住犬が落ち着いているようなら、短時間だけ対面させ、うまくいったらすぐに離します。先住犬を優先してかまい、「新入りが来てもあなたは大切」というメッセージを伝えましょう。焦らず、1〜2週間かけて徐々に慣れさせるのが理想です。
Q3. トイレの失敗ばかりで心が折れそうです
最初の1週間はトイレの失敗が当たり前です。子犬はまだ排泄のコントロールができず、「ここがトイレ」という概念もありません。叱るのではなく、成功したときだけほめることに集中してください。失敗は無言で片付け、タイミングを見てトイレに誘導する回数を増やしましょう。SOPRAの幼稚園コースでは、トイレトレーニングの基礎も丁寧にサポートしています。
Q4. 甘噛みがひどくて痛いのですが、叱っていいですか?
甘噛みは子犬の正常な行動であり、「いけないこと」ではありません。歯の生え変わりでむずがゆいことや、遊びの一環として噛むことが多いです。叱るよりも、噛んでいいもの(噛むおもちゃ)を与え、人の手を噛んだら遊びを中断して立ち去る方法が効果的です。「人を噛むと楽しいことが終わる」と学習させることで、徐々に減っていきます。
Q5. 1週間でどこまでできるようになりますか?
1週間では「環境に慣れ、家族を信頼し始める」段階です。お座りやトイレの完璧な成功を期待するのは早すぎます。この時期は土台づくりの期間と考え、焦らず見守ってあげてください。本格的なトレーニングは、環境に完全に慣れてから始めるのが理想です。
まとめ
子犬を迎えた最初の1週間は、その後の犬生を左右する大切な期間です。安全な環境を整え、無理のないペースで慣れてもらい、規則正しい生活リズムをつくること。そして毎日の健康チェックと、社会化の準備を少しずつ始めることが、信頼関係の土台になります。
SOPRA では、19年間で培った経験をもとに、子犬の成長に寄り添うパピートレーニングを首都圏14店舗で提供しています。最初の1週間を乗り越えたら、ぜひ専門のトレーナーと一緒に、子犬との楽しい毎日をスタートさせてください。お問い合わせはお気軽にどうぞ。

